顕彰会について

郷土、茨城の先人、長久保赤水、生誕300年記念の年を迎えて

 外務省のホームページで、竹島をクリックすると、長久保赤水(1717~1801)の日本地図『改正日本輿地路程全図』が目に飛び込んできます。日本政府が韓国との領土問題で、江戸時代の中期に竹島が日本領として描かれている最古の日本地図として主張し、すでに、世界に公表されているものです。ところが、この『改正日本輿地路程全図』が、「今だに、国の重要文化財として指定されていないのはおかしいだろう。」と最近、ある人に言われました。「なるほど、そのとおりかも知れない」とその時、私はそう思いました。

 

『改正日本輿地路程全図・初版』 (長久保和良氏 蔵 83.3×134.3㎝)

 

 現在、長久保赤水顕彰会では、高萩市や県内の皆さん方などとともに、市の指定文化財である916点の地図や書籍、手紙などの長久保赤水関係資料を、生誕300年記念の年の2017年までには、茨城県指定文化財にしていただけるように、様々な活動を続けているところであります。顕彰会では、この赤水先生が残された、和紙に手書きの墨や朱書きの書込みのある地図原稿などは、当然、国の重要文化財としてふさわしいものと考えています。まずは、2017年、生誕300年の11月6日の誕生日までには、茨城県指定文化財にしていただきたいと、最近、つとにその思いを一層強くしています。また、一歩ずつ一歩ずつではありますが、赤水先生の人間性と、その業績を明らかにしていきたいと考えています。

 

 

マンガ『長久保赤水の一生 付赤水先生為学入門抄・志学警 現代語訳』を発行

 長久保赤水顕彰会では、今までに、『續長久保赤水書簡集 現代語訳』『長久保赤水書簡集 付 芻蕘談 現代語訳』を発行してきました。今年は、マンガ『長久保赤水の一生 付 赤水先生為学入門抄・志学警 現代語訳』を発行することができました。マンガを制作された原康隆氏のご努力に深く感謝申し上げます。

 

『續長久保赤水書簡集』『長久保赤水書簡集』

 

 日本を代表する「江戸時代の儒学者、天文・地理学者、農政学者」であり、水戸藩6代藩主、徳川治保公の侍講侍読を務めた赤水先生。墓石には「水戸藩前講読官」とあります。今でいえば、学問を教える役割と、いろいろな政策を提言して、それを実現させていく政策アドバイザー、特別補佐官のような役割を果たしています。農政改革はもちろん、藩政改革をも実現させています。数多くの漢書などを読みこなし、(いにしえの中国の聖王たちの教えを学び、藩主、治保公の藩政改革に取り組む道の下ごしらえの役目を果しています。

 また、13歳の藤田幽谷(藤田東湖の父)を水戸藩の神童藤田と、日本全国の当時の一流の著名人たちに紹介しています。さらに、同じく儒学を教えた門人、高橋又一郎とともに、後の彰考館総裁へと育てあげました。この赤水先生は、儒学者として水戸学を幕末の人々につなぐ役割を果たしています。

 

 

赤水資料の歴史・観光資源としての再認識、国指定文化財に匹敵する

 生誕300年は、長久保赤水関係資料の歴史・観光資源としての再認識の良い機会であると同時に、国指定文化財に匹敵するものであることを、多くの皆さんに広く認識していただく良い機会であると考えています。

 赤水は、61歳まで赤浜で農業をしながら学問に励み、20年余の歳月を費やして、日本地図を完成させました。61歳の時、藩主の住む江戸の水戸藩上屋敷の儒者長屋に移り、その後、大坂で日本地図や中国地図、世界地図、中国歴史地図帳を刊行し、さらに、大日本史地理史の編纂などの仕事に取り組み、81歳で郷里の赤浜村(高萩市)に戻り、85歳で亡くなりました。

 

『大清広輿図』 (長久保和良氏 蔵 188×183.3㎝)

 

 長久保赤水顕彰会の会員数は、2016年12月時点で209名と大幅に増えました。特に、橋本昌茨城県知事が名誉顧問に、小田木真代高萩市長が顧問に、それぞれご就任いただき、大変、大きなご協力をいただいております。深く感謝申し上げます。2017年の赤水先生の生誕300年記念の年までには、会員300人を目標に、更なる活動を行っていきたいと考えております。私たちは、生誕350年、400年をお祝いすることは出来ません。今の時代に出来る事を確実に進めていきたいと思いますので、ぜひ、皆さま方のご協力とご指導、さらには、長久保赤水顕彰会の会員となって私どもの背中を押していただければと思います。重ねてお願い申し上げます。