東京新聞連載「日本図の変遷〜赤水から伊能へ〜」 第18回 伊能図の地図仕立て(執筆:平井松午氏)2023年2月22日掲載

東京新聞連載「日本図の変遷〜赤水から伊能へ〜」
🔷第18回 伊能図の地図仕立て(執筆:平井松午氏/徳島大名誉教授)2023年2月22日(火)掲載。
◇伊能図の特徴といわれる作図「針突法(しんとつほう)」についても書かれています。
【伊能忠敬らは、地図を仕立てる際には、大中小図ごとに、墨入れした原図を浄写(清図)用紙の上に重ね、その上から針で穴を開けて測点を写し取り、数ミリ間隔の針穴を一つ一つ朱線で結び測線とした。おおよそ二メートル四方の中図一枚(図幅)に確認できる測線上の針穴は、数千〜一万数千カ所に及ぶ。全て手作業で、針突法と呼ばれるこうした作図法は、伊能図の特徴のひとつでもある】(平井松午氏寄稿文より)
点と点を結んで線にする。針穴を開けて写し取る作業は、現代のトレースとは比較にならない手法。緻密で根気が要る作業です。古地図を目にする際は、当時の地図製作者に思いを馳せ、認識を新たにじっくり眺めてみたいものです。