東京新聞連載「日本図の変遷〜赤水から伊能へ〜」
🔷第20回 細密な伊能図-忠敬のこだわり(執筆:平井松午氏/徳島大名誉教授)2023年3月7日(火)掲載。
忠敬がどのように細密な技法で、日本図作製にこだわったのかが解説されています。
『伊能図は、測量データをもとに縮尺三万六千分の一の下図、それらを繋ぎ合わせて寄図(よせず)や大図の原図が作製され、さらに縮小して中図・小図の原図が編集された。(中略)地図のスケールを問わず、測点の間隔はおよそ二〜五㍉前後で、狭いところでは〇.二〜〇.五㍉前後。毛筆で書かれたカタカナ地名は米粒大に三文字表記、漢字地名も一字が二〜五㍉角という細密さである=写真上』(平井松午氏寄稿文より)
【補足】
自身で時折、簡易な手書きMAPを作製する際には、デザインにも使う優れたペンがあり、小さなドットも自在に描けるなどミリ単位で豊富に揃います。
古地図、長久保赤水の「赤水図」を初めて目にした時、毛筆で安定した太さの線を描き、随所に書き込まれた数千もの地理情報に圧倒されました。限られた道具を駆使し日本図製作に取り組んだ先駆者、赤水・伊能らに敬服します。