長久保赤水の日本地図を内閣官房が複製して日比谷公園内の市政会館に展示します

赤水の日本地図調査 内閣官房、複製展示へ 高萩

3/31(土) 6:00配信
茨城新聞クロスアイ

高萩市出身で江戸時代の地理学者、長久保赤水が作成した日本地図を東京都千代田区の「領土・主権展示館」に展示するため、内閣官房領土・主権対策企画調整室の関係者が23日、同市高萩の市歴史民俗資料館を訪れた。後日、写真撮影して複製を作り、早ければ1カ月程度で展示される予定という。

調査で訪れたのは、同企画調整室の山本智嗣参事官補佐ら。赤水の功績を伝える活動に取り組む「長久保赤水顕彰会」(会員338人)の佐川春久会長らが案内して、撮影する地図を同顕彰会が所有する「改正日本輿地路程全図(かいせいにほんよちろていぜんず)」(初版、1779年)に決めた。また赤水の肖像画も提供する。

「領土・主権展示館」は、竹島問題や尖閣諸島を巡る情勢などについて資料をまとめて紹介する初めての国の施設。千代田区日比谷公園1丁目の市政会館内に、今年1月に開設された。

会議では、撮影や展示の仕方などを説明。検討段階と前置きし、赤水の企画展を計画中で顕彰会の協力を求めた。一方、顕彰会からは都内で赤水ゆかりの地を巡るウオーキングラリーの開催を提案した。

山本参事官補佐は「赤水図に大きな価値を感じており、展示物の充実を図るために赤水図の展示を進めたい」と話した。佐川会長は「いろいろな共催事業ができれば」と期待した。

赤水は1717年に同市赤浜の農家に生まれ、儒学や天文学、地理学を学び、日本初の経緯線が入った日本地図を完成させた。77年に水戸藩6代藩主・徳川治保の侍講に抜てきされ、江戸小石川の水戸藩邸で97年まで暮らし、1801年に没した。

(飯田勉)

茨城新聞社
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