「赤水が地図大衆化」顕彰会長講演 生涯と功績学ぶ 茨城・水戸

「赤水が地図大衆化」顕彰会長講演 

生涯と功績学ぶ 茨城・水戸

◆『赤水が地図大衆化』
茨城新聞みと・まち情報館にて、長久保赤水の生涯と功績などについて学ぶ3回シリーズ講座が、いよいよ始まりました。講師は長久保赤水顕彰会会長の佐川春久さん。
「長久保赤水の最大の功績は、①今までは領地や財を持つ権力者の手にあり、初めて日本地図を大衆化したこと。そして、②日本初の星座早見盤を庶民にも普及させたこと」だと、佐川会長は講座でも強調してお伝えしています。
(記事は4月13日茨城新聞掲載)
▶︎第2回、5月9日「国重要文化財に指定された赤水の関係資料」
▶︎第3回、6月13日「天文学分野の業績、赤水が作った日本地図が海外に与えた影響」
▶︎いずれも午前10時〜正午
□申し込み・お問合せ先
同情報館 ☎︎ O29(306)9500
*平日午前10時〜午後5時迄
長久保赤水の功績について解説する佐川春久会長=水戸市南町
長久保赤水の功績について解説する佐川春久会長
=水戸市南町

現在の茨城県高萩市出身の地理学者、長久保赤水(1717~1801年)の生涯と功績を紹介する歴史講座が11日、同県水戸市南町2丁目の茨城新聞みと・まち・情報館(水戸証券ビル1階)で始まった。講師で長久保赤水顕彰会の佐川春久会長は赤水について「最大の功績は地図を一般大衆化したことと、天文学の知識を庶民まで下ろしたこと」と強調。85年の生涯をたどりながら、赤水の手がけた地図を解説した。

講座は、3回シリーズの初回。集まった市民らが熱心に耳を傾けた。

赤水は江戸時代、初めて経緯線の入った日本地図を完成させた。測量して作った伊能忠敬の地図よりも42年早い。伊能図は江戸幕府で厳重に管理され、庶民の目に触れることはなかった一方で、赤水の地図は広く庶民に広がっていたと解説。「赤水図は100年間のベストセラー。世界6カ国で44枚の赤水図やロシア語に訳されたものも見つかっている」と述べた。

国の重要文化財にも指定されている「改正日本輿地(よち)路程全図」(赤水図)は、海路や郡名をはじめ、6千もの地名が書かれている。佐川会長は赤水図について「見れば見るほど新しい発見がある。不思議な魅力がある」と語った。

佐川会長は近年、県内外で赤水に関する企画展が開かれたり、教科書や入試問題で取り上げられたりしている現状にも触れ、「水戸が誇る先人が、ようやく全国展開されるようになってきた。ますます広がりを見せている」と期待を寄せた。

第2回講座は、5月9日に「国重要文化財に指定された赤水の関係資料」、第3回は6月13日に「天文学分野の業績、赤水が作った日本地図が海外に与えた影響」と題して、それぞれ開かれる。いずれも午前10時半から正午。

申し込み、問い合わせは同情報館(電)029(306)9500(平日午前10時~午後5時)。