◆高萩市市制施行70周年記念事業
◇朗読劇「清學の士 長久保赤水~立志編~」
11月9日(土)、高萩市市制施行70周年記念事業として、朗読劇「清學の士 長久保赤水~立志編~」が開催されました。
□会場:高萩市歴史民俗資料館(長久保赤水記念館)
□主催:朗読劇 清學の士 長久保赤水実行委員会(長久保赤水顕彰会、サロンはまなす会、高萩朗読グループ連絡会、高萩民話の会ほおずき)
□朗読:水戸朗読の会(森本勝海、寺門幸子、篠原ゆみ子)
□フルート演奏:柴草幹男
この朗読劇は、江戸時代の地理学者・長久保赤水をテーマにした作品で、赤水に学問を教えた実母(繁/おしげ)と「学問は人のためにある」と教えた養母(咸/おみな)、そして松岡七友の存在を通して、赤水の人間としての原点に迫る内容となっています。
赤水は、日本地図「改正日本輿地路程全図」を完成させ、日本の地理学に大きく貢献しました。茨城県水戸藩出身の赤水は、天文や地理の知識を身につけ、社会の発展と人々の生活向上を目指し尽力しました。
農民出身ながら学問を通じて立身し、藩政にも関わるようになった赤水が手掛けた地図は、江戸時代後期の庶民に広く普及し、後世の日本地図製作にも多大な影響を与えました。
本作「立志編」では、赤水の青年期に焦点を当て、赤水の立身出世への志や学びへの熱意、地理学への関心を描いています。
赤水は、太平の世になり物見遊山の旅に出る人が増えたことや、旅人の死に直面した経験から正確な地図の必要性を痛感し、日本地図の作成を決意しました。正確な地図は旅人の利便性と安全確保、さらには国防にも不可欠です。
しかし、地図作成には膨大な労力が伴います。彼はまず各地の地図や道中案内を収集し、精査を重ねて一つ一つの地図を作成していきました。
街道沿いの自宅に招いては旅人や修行僧からの情報を収集し、さらに多くの人々に確認を取ることで地図情報の精度向上を図り、その熱意は松岡七友の仲間たちにも伝わっていきました。
《参考》赤水14歳、松岡七友(松岡七賢人)との出会い
・鈴木玄淳 (下手綱村/医師)
・大塚祐謙(石岡村/修験者)
・大塚玄説(石岡村/医師)
・柴田平蔵(木皿村/農民)
・福地充宣(友部村/医師)
・朝日祐誠(諏訪村/修験者)
・長久保赤水(赤浜村/農民)