令和元年6月23日 ㈰ 第5回 全国赤水ウオーク!2019 開催

第5回   全国赤水ウオーク! 2019 を開催します。

― 長久保赤水ゆかりの地と常陸の小京都・たつごの里を訪ねる ―

開催日:令和元年6月23日(日曜日) 令和元年記念イベント

集 合:JR常磐線南中郷駅前(北茨城市南部市民サービスセンター)9時30分

コース:南中郷駅前 → 赤水旧宅 → 赤水の墓 → 赤水誕生地 → 松岡小学校(就将館)

→ 松岡城址 → 高萩駅(赤水像) → 高萩市歴史民俗資料館  約10km(団体歩行)

解 散:高萩市歴史民俗資料館 14時30分頃

雨 天:小雨実施 荒天中止

参加料:無料

認 定:JVA(10km)、茨城県ヘルスロード(278,346)

主 催:長久保赤水顕彰会、高萩ふるさと案内人の会、高萩ウオーキングクラブ

後 援:茨城県、茨城県教育委員会、高萩市、高萩市教育委員会

お問合せ先:高萩ウオーキングクラブ会長 間下 彰 電話0293-22-4809

または、URL http:/nagakubosekisui.org/ お問い合わせフォーム

吉田松陰も絶賛! 伊能忠敬が測量に携帯していた 

長久保赤水の赤水図…「改正日本輿地路程全図」

 

今回は、嘉永五年(1852)正月21日から22日に、吉田松陰が歩いたゆかりの地を初めて、逆に歩きます。

吉田松陰自筆の『東北遊日記』の一部…『長久保赤水書簡集』現代語訳より

(前略)

二十一日、晴、森山を発つ、助川を過ぎる、山邊兵庫の邑城なり、手綱に宿す、中山備前守の邑城なり、行程七里、阿久津彦五郎を訪ねる。夜、彦五郎が話に来る、彺年の検田の事、民間の謗(ぼう)讟(とく)は多く、彦五郎の所説を以て、則ち曰く、手綱の歳入原は二万三千石、検田後は、僅か収入一万七千石、則ち専ら損下益上は似て非なり、蓋し農民を愚魯し、利害を弁ぜず、且つ力で富豪奸は民を騙している、

廿二日、晴、阿久津、…宅を訪れ、長久保赤水が著わした所の龍子山記を看る、云いて有り。應永廿三年、三月十五日、吉野帝末の孫、常翁が戸條伊勢守・中條播磨守・北条陸奥守を率いて常陸国に至る、永禄二年二月十八日、梅翁が薨(みまか)り、常翁を経て大翁・覚翁・筑翁・梅翁に至るが子嗣無く絶える、阿久津宅を辞す。阿久津も亦相伴って送り出る。二塚を謁(えつ)し赤浜に至る。長久保源五兵衛の墓を過(と)う。源五兵衛は農家の子、好みて天下を漫遊し、精学して地学を研(みが)く、後に抜擢されて士籍に登る。即ち長久保赤水先生なり、其子に及び復(また)行きて農業に帰る、今に至りて分かれて数家を為すと云う。足洗に至る。民篠原貞之助の家を過(と)う。乃ち貞之助を柆(ろう)して磯原に至る。行程二里、野口源七(注1)(ママ)家を過(と)う。阿久津、篠原は是(これ)由(より)辞す、吾輩宿に留る焉。赤浜から是に至るは、皆海浜の地、砂は軟らかく松は翠、宛(あたか)も舞子浜の如きなり、乃ち詩を作りて云う、

涛(とう)声(せい)は砰(ほう)湃(はい)として松声に和し  十里の白(はく)沙(さ)は、眼明を撥く  憶(おも)い起こすは舞妓湾上の夢 一(いっ)樽(そん)の緑酒班(はん)荊(けい)に酔う

夜作詩云(よるしをつくりていう)

海(かい)楼(ろう)酒を把(とり)て長風に対す  顔紅に耳熱し酔眠濃(こまやか)なり  怱(たちまち)見る万里雲涛の外  巨(きょ)鼈(べつ)海を蔽(おお)いて艨(もう)艟(どう)来る

我吾軍を提(ひっさげ)て来りてここに陣す  貇(ひ)貅(きゅう)百万髪(はつ)上(のぼり)衝(つ)く  夢断え酒解けて灯も亦(また)滅(めつ)す  涛(とう)声(せい)は枕を撼(うごか)して夜鼕(とう)々(とう)

注1 源七=源朱(しゅ)、または、源珠(しゅ)と思われる。

 

詩の解釈

野口家にて阿久津、篠原別れて帰宅。松陰、宮部鼎蔵は宿る。

赤浜からここに至までは、皆海浜の地で沙(すな)は軟らかく松は翠(みどり)。宛(あたか)も瀬戸内海の美しい海岸「舞子浜」のようだ。そこで詩を作ってみた。

涛(とう)声(せい)は砰(ほう)湃(はい)として松声に和し

十里の白(はく)沙(さ)は、眼明を撥(ひら)く

憶(おも)い起こすは舞(まい)妓(こ)湾(わん)上(じょう)の夢

一(いっ)樽(そん)の緑(りょく)酒(しゅ)、班(はん)荊(けい)に酔う

 

「ざざっと砕ける波の声は、浜吹く松風の声に調和して、遥かに打ち続く沙(すな)の白さは目の前の明るさを測るかのように眩しい。この美しい海岸を見て想い起すのは、かって宿ったことのある舞子ヶ浜の景観である。今、この景勝の地に宿をとり、真実気の合った友と巡り合う事が出来、美酒を酌み交わすことは、本当に楽しい事であるよ。」…『地政学者長久保赤水伝』より

夜の作詩に云う(夜、詩を作りて云う)

【磯原客舎】 吉田松陰(関西詩吟文化協会の漢詩紹介)

海(かい)楼(ろう)に酒を把(と)って 長風に対す

「磯原海辺の高楼に上って、酒を飲みながら遠くから吹いてくる風に向かっていると、

顔紅(くれない)に耳熱(ねっ)して 酔(すい)眠(みん)濃(こまやか)なり

酔って顔はほてり耳まで熱くなって、 ぐっすり眠ってしまった。

怱(たちま)ち見る雲(うん)涛(とう) 万里の外

忽ち夢の中に雲と波の湧く万里の遥かかなたから、

巨(きょ)鼈(べつ)海を蔽(おお)いて 艨(もう)艟(どう)来(き)たる

大海亀が海を覆うように、多くの軍艦が押し寄せてくるのが見えた。

我れ吾が軍を提(ひっさ)げて 来(きた)りて此(ここ)に陣す

私は吾が軍を指揮してこれに対し陣を固めるた

貇(ひ)貅(きゅう)百万髪(はつ)上(のぼ)り衝(つ)く

百万の勇猛な兵士は意気大いに盛り上がり、怒髪天を衝くほどの悲憤ぶりである。

夢は断(た)え酒は解(と)けて 燈(ともしび)も亦(また)滅(めつ)す

(このような悪夢にうなされていたが、)それは夢で 酔いも醒め燈(ともしび)も消えて、

涛(とう)声(せい)は枕を撼(うごか)して 夜鼕(とう)々(とう)

暗やみの中にただ(ほら穴に入る)波の音が寝ている枕を動かすようにドドーン、ドドーンと聞こえるだけである。」

*右の漢詩は、野口源七の家に一泊し、翌二十三日の朝作ったものだろう。

 

また、8月31日(土)には、 第2回 全国赤水ウオーク東京大会 2019! が

東京都内で開かれます。

日比谷公園集合 →  内閣官房の領土・主権展示館 → 江戸城本丸御殿後 →

水戸藩上屋敷跡(小石川後楽園庭園) → 水戸藩中屋敷(東京大学農学部・朱舜水終焉の碑)

→ 水戸藩下屋敷(隅田公園)

*詳細は、後日、お知らせいたします。