東京新聞連載『日本図の変遷~赤水から伊能へ』 第10回「シーボルトが収集した赤水図」執筆:小野寺淳氏/2022年12月13日掲載

東京新聞に連載中の『日本図の変遷~赤水から伊能へ』 第10回は「シーボルトが収集した赤水図」執筆:小野寺淳氏(放送大茨城学習センター所長)2022年12月13日掲載されました。

【長崎・出島のオランダ商館付き医師として来日していた時に購入または入手できたのは、寛政版の赤水図であった。現在、オランダのライデン大学図書館シーボルトコレクションには、寛政版の赤水図が五点所蔵されている。】(小野寺淳氏)
今回は、シーボルトが赤水図を入手した経緯、どのような人の手を介したのか?などについても解説されています。海を超えた赤水図は、世界各国の有名コレクションに現存する「赤水図」の発見により実証されています。同時に、江戸時代に出回っていた日本図が「赤水図」であったともいえるようです。

 

🔷関連資料『鎖国時代 海を渡った日本図』(古河市歴史博物館/2019年7月14日開催)

◆赤水図が国内に止まらず海外にも与えた影響とその偉業を再確認

令和元年(2019)7月14日(日)、古河市歴史博物館に於いて「鎖国時代 海を渡った日本図」の展示会が開催されました。西洋人にとって未知の世界だった日本への関心の高さや、赤水図が国内に止まらず海外にも与えた影響についてその偉業を再確認しました。

◆世界6か国の有名コレクションに44枚の赤水図、ロシアでも翻訳され発行

海外に収蔵された「赤水図」を発見・公表した馬場章氏(元東京大学大学院情報学環教授)によれば、世界6か国の有名コレクションに44枚の赤水図があり、大切に保管されているといいます。シーボルト親子が赤水図を17枚、ヨーロッパへ持ち帰り紹介したといいます。その中でも特に、ルール大学のものは、地名辞典といえる特徴あるものですが、それらを裏付けるような古河市の展示内容であったと思われます。そのほか、赤水図は、ロシアでも翻訳され発行されていました。